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その、透明な鎖を
第11章 私と、そのひと
……私は、知らないところでずっと、そうやって守られていた。
ママと、パパに、心から愛されて。
ふたりとも、絶対つらかったに違いないのに。
何でもないことだよ、と言わんばかりに。
そう、それは今も――……。
「パパ……」
呟いて、俯く。
パパが、優しく私の頭を撫でてくる。
……少し、躊躇いがちに。
「凛……」
いつも、優しく、私を愛してくれるパパは本当の父親じゃなかった。
血の繋がりのない、ひとだった。
私は静かに顔を上げ、パパを見た。
「……ん?」
パパの私を撫でていたその手の動きが止まる。