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その、透明な鎖を
第12章 私の存在理由
別に身体を繋げなくても、って。
気持ちだけでも、って。
そうも思ったけど、でもやっぱりそれじゃ不確かすぎて。
ちゃんと。
もっとちゃんと。
私が、私にその存在理由を納得させられるぐらいの、ちゃんとした形としてのそれを、私は欲していた。
「凛」
「……パパは……酔ってでもなきゃ、私の身体なんて、さわりたくもない……?」
え……? と、パパが声を漏らす。
ひっく、と私はまたしゃくりあげて。
「そんなに……私、やっぱり汚い……?」
そう、不安定な心が口からとうとう出てしまう。
そして次の瞬間――――。
「いっ!」
パパの手に押しつけていた左胸が、そのまま思いっきり掴まれた。
思わず引き剥がすようにしてそこから離す。
パパは私の肩を掴むと、身体を返した。
今度は、私の上にパパが覆い被さる形になって。
「なんで、そういうこと……!」
私の肩を両手で押さえつけたまま、苦しそうに呟いて。
「そんなわけないだろ……!
……っ、そんな言葉、二度と口にするな……頼むから――……」
そして、私を抱き締める。