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第12章 　私の存在理由

実の父親と身体の関係を持つこと
実の父親がそういう男だということ

どっちが精神的に楽？　なんて。
そんなこと比べられない。
なんだかぜんぜん違うもののような気がする。

パパは、悩んだ末に、前者よりは……と思って私に事実を打ち明けてくれた。
それは、パパたちが私を心から愛して育てたという自信ゆえの決断だろう。
本当の親かどうかなど関係ない、と。
そしてそれを私も理解してくれるはずだ、と。

確かにそれは理解できた。
間違いなく私はふたりに愛され、そうやって育てられた。
遺伝子上だけの親より、育ての親の方が重要だって、それもわかる。

この前は、パパと血が繋がっていない、近親相姦だったわけじゃない、と確かにほっとしたはずなのに。
けれど今は違う感情が私を襲い続けていて。
自分という存在に対する嫌悪感が時間とともに大きくなっていき、あれからずっと私を苛んでいる。

最悪、最低の男。
私はそんな人間の、子供なのだと――――。