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その、透明な鎖を
第13章 私が出逢った、彼
そんな私の高校生活は、それほど楽しいものではなかった。
話しかけられれば言葉を返す。
でも自分から積極的にはいく気がしなかった。
周りの子たちと、私。
なんだかあまりにも違う気がして。
彼女たちが交わす無邪気な会話。
もう、入り込んでいけない自分を感じる。
真っ直ぐで、素直で、思ったことを何でも口にして。自分のためだけに世界は存在していると言わんばかりの態度で、楽しく毎日を生きている彼女たち。
……そんな彼女たちのようにはなれないと思った。
私は、背負っているものが重すぎる。
男の子から寄せられる好意も、正直煩わしかった。
その視線、その態度。
まとわりついてくるような感情が、鬱陶しく思えた。
私のすべてはもう龍に捧げている――――。
……だから、ただそっとしておいてほしかった。