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その、透明な鎖を
第13章  私が出逢った、彼


3月。

私は高校を、終業式に合わせて退学した。
そのまま、すぐに引っ越して。

新しい高校に通うつもりはなかった。
龍は『凛の好きにすればいい』と言ってくれた。
千津ちゃんは編入を勧めてくれたけど、私が頑なにそれを拒むと、そのうち諦めてくれたようで。


新しい場所で、龍とふたりで暮らし。
家で龍の帰りを待ち。
毎日、たくさんの話をして。
時折、身体を重ねて。

龍だけが私の世界のすべて。
……もうそれで、充分だと思った。


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