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その、透明な鎖を
第13章 私が出逢った、彼
それから私は、よく外に出るようになった。
あの川辺はお気に入りの場所となり、何をするでもなく、ただそこにいるだけでなんとなく心が落ち着いて。
ほとんど人が通らないということもあり、気分転換には最適だった。
それを思いついたのは本当になんとなく。
通っていた高校の制服を久しぶりに着てみると、気分がなんだか高揚した。
日中は誰かに見られたら説明が面倒だし、高校の授業の終わりそうな時間に合わせて外に出てみる。
歩きながらくるくると回ると、スカートの裾がきれいに揺れた。
「ふふっ」
なんだか、楽しくなって。
そういえば、高校生活はそんなでもなかったけれど、この制服は好きだったなあ……と、思い出す。