この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
その、透明な鎖を
第14章 泣きたくなる
「悠斗、その日はバイトがないって言ったから。
ゆっくり話したくて、家に来てもらった。
……家に呼んだ以上、そうなることもあるかもしれないって。少し思った。あの雨のときみたいになったら、たぶん拒めないって。
だって私の中にあるのもう知ってたから。悠斗にさわりたい、さわられたいって気持ち……」
「凛――……」
でもね、と。
彼女は呟く。
「悠斗から、好き、ってはっきり言われて。途端にそれが現実味を帯びて」
「え……?」
「私の気持ちを聞かれて。どう答えたらいいのかわからなくて。
好きって言われて嬉しかったのに。それを受け入れていいのか、わからなくて」
「……なんで」
「だって……だって、そんなこと。許されるのかな」
その目が、それを彼に問いかけるように。
悠斗はその言葉の意味が分からず、困惑したままその視線を受け止める。