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その、透明な鎖を
第2章 雨の匂いが
バイトから帰宅して、部屋にひとり。
ベッドに腰掛けて考えるのは、凛のことばかり。
……今日あった出来事は、本当のことだったんだろうか、と。彼は思って。
「凛……」
柔らかい唇に、何度も何度もキスをした。
舌も絡めて。
深く口づけあって。
そして、その膨らみ。
濡れた服が身体のラインをはっきりとさせて。
……胸、前から大きいと思っていたけど。
あんなふうになると、より一層そう思えて。
透けた下着がいやらしかった――――。
そう、思い出して息を吐く。
「あれはきついって」
背中に押し当てられた、その感触に。
触れた胸の、その柔らかさに。
揉んだときの、その弾力に。
「……っ」
思い出すだけで、身体が反応した。
無意識に、そこに手が伸びる。