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その、透明な鎖を
第15章 凪のよう
「……○○ランド、とか?」
有名なテーマパークの名前を挙げる。
「凛、好きなの?」
「小学生の時に家族で何回か行ったの」
「へえ……俺、行ったことない」
「え? ないの?」
「うん」
「え。じゃあ行こうよ! 楽しいから!」
笑顔で、凛が言う。
「いいよ」
悠斗の言葉に、さらに顔をほころばせて。
「……で。泊まり? 日帰り?」
だめもとで悠斗がもう一度聞くと、少し表情を曇らせたものの。
「……うん。龍に聞いてみる」
そう答えて。
そして凛が
『泊まってきてもいいって!』
そう、嬉しそうに悠斗に告げたのは、その翌日のことだった。