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その、透明な鎖を
第15章  凪のよう


「悠斗!」


声を掛けられた彼は、その方向に視線を向ける。
笑顔の凛が、小走りで向かってくる。


「凛」


思わず口から漏れた、その名前。


「ごめんね、待った?」


いつものように少し首を傾げて、彼女が言う。


「全然」


彼の言葉に、にっこりと笑って。


「歩いてきたの?」

「ううん……龍が車で送ってくれた」

「そっか」


凛の言葉に答えながら、彼は彼女を見つめる。


「……凛、可愛い」


思わず、呟いた。


「え?」


彼女はその言葉に、少し照れたように。


「可愛い。それ、似合う」


淡いピンクの総レースのワンピース。
唇も、ピンク色で。つやつやしてる。


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