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その、透明な鎖を
第15章  凪のよう


「……龍さん、何か言ってた?」


電車が動き出すと、彼は口を開いた。


「ん。楽しんでおいで、って。お小遣いもいっぱいもらっちゃった」

「そっか」

「……それより。ずっと気になってたんだけど」

「ん?」

「悠斗、すっかりそれで定着しちゃったね。龍の呼び方」


龍さん、って――そう、彼女は笑った。


「ああ……うん、なんか」


凛の話を聞いてから、彼を父親、と言うのもなんだか悠斗にはおかしなかんじがして。


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