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その、透明な鎖を
第15章  凪のよう


「変?」


一度言ってみたら意外としっくりきたのでそのままずっと使っていたが、あらためてそう言われると……と、悠斗は心配になった。


「ううん。いいと思うよ」


くすくす、と。
彼女は彼を見て笑って。


「龍も、喜んでたよ」

「え? 言ったの?」

「うん。悠斗に『龍さん』って呼ばれてるよ、って」

「まじで?」


思わず苦笑する。


「じゃあ、いいか」

「うん、いいよ」


そうしてふたりは顔を見合わせて笑い合う――――。


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