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その、透明な鎖を
第15章 凪のよう
テーマパークに着いて。
「わあ! 久しぶり!」
一気にテンションがあがった凛を見て、悠斗も嬉しくなる。
園内の人の多さに驚く彼だったが、彼女は『土曜だもん』と、さほど驚いてはいない様子で。
「ねえ、悠斗は何に乗りたい?」
目をきらきらさせながら。
「俺、全然詳しくないから凛に任せるよ」
「ほんと? じゃあまずコースター系いこうよ! 悠斗、そういうの平気?」
「ん」
こっち、こっち! と。
彼女は彼の手をとる。
はしゃぐ彼女を見つめながら、その幸せを痛いほど、彼は感じて。
「悠斗は並ぶのとか、平気?」
そんな彼女の問いにも
「凛となら、何でも」
そんな甘い言葉まで、返せたぐらいで。