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その、透明な鎖を
第15章 凪のよう
「うさぎの車のやつ、面白かった」
ホテルへと向かいながら、悠斗が凛に言う。
「うさぎの車って!」
「あと、お化け屋敷」
「悠斗、おかしい!」
あはは、と彼女が笑って。
今日はいつもこんなふうに凛は笑ってた――彼は、その笑顔を見ながらそう思う。
「凛の写真もいっぱい撮ったし、満足」
「撮りすぎだよ……もうっ」
絡めた指のまま、彼の胸元をとんっ……と軽く叩いて。
「そんなに画像どうするの」
「凛に会えないときに眺めて、寂しいの我慢する」
その言葉に、彼女が立ち止まる。
ん? と彼も立ち止まり、彼女を振り返ると。