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その、透明な鎖を
第15章  凪のよう


「……ずるい」

「え?」


拗ねたような顔で、彼女が彼を睨んで。


「私も悠斗の画像ほしい」

「だって凛、携帯持ってないじゃん」

「……そうだけどっ」

「前から言ってるけど、龍さんにお願いして買ってもらいなよ。そしたらいつでも電話とかメールとかできるし」


ね? と。


「……だよね。お願いしてみようかな」

「うん」


そしてまた、彼女は笑顔を見せた。
彼も笑って、ふたりは再び歩き出す。


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