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その、透明な鎖を
第15章 凪のよう
「……悠斗と初めて会ったとき、制服姿だったじゃない?」
静かに口を開いた凛。
悠斗は額を離し、ん? と声に出さず、目で続きを促した。
「それからもしばらく、会うときは制服だった理由、わかる?」
「……俺に、合わせて?」
「それもあるけど」
ふふっ、と小さく笑って。
「……普通の高校生みたいで」
「え?」
「普通の、どこにでもいる高校生のカップルみたいで。でね、私と悠斗の学校は別で。いつもあそこで待ち合わせなの。そして、時間が許す限り会って、話して、キスとかするの。普通の高校生みたいに。
……そういうの、味わえた」
「……凛」