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その、透明な鎖を
第16章 記憶の奥底
長い黒髪を淫らに揺らしながら。
その綺麗な顔を快楽に歪ませる。
紅く色づいた頬。
汗でしっとりと濡れた白い肌をしなやかに仰け反らせて。
感じている彼女の、その魅惑的な姿。
でもこれを知っているのは、自分だけじゃない。
「ああっ、きもち、い……のっ、あっ」
その官能的な声。
でもこれを知っているのは自分だけじゃないんだ。
どうして。
どうして――――?
彼の胸に沸き上がる、それは。
嫉妬なのか何なのか。
ねえ、凛――――。
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