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第16章 　記憶の奥底

――そうだ。きっと、凛は拒めないんだ。
その関係を。
あのひととのセックスを。


悠斗の頭の中で、すべてが繋がる感覚がした。


いくら凛にはもうその気がなくとも、龍に求められたら、きっと応じてしまうだろう。
なぜなら、それは彼女が自ら望んで作ってしまった関係だからだ。
それを今更自分の勝手でやめたい、なんてこと。きっと彼女はできないだろう。言えないだろう、と。


記憶の中にあるあの声。
あのときと、今は違う。
きっと今の凛は、望まないけれど断りきれずにその身体を差し出しているに違いない――悠斗の中でそんなふうに、それは確信となっていく。