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その、透明な鎖を
第17章 遠くへ
楽しかった話をしばらくしていると、凛の反応が少しずつ遅くなっていった。
とても、眠そうに見えて。
そのまま見ていたら、とうとう彼女の頭がかくんと揺れた。
悠斗は苦笑して、その頭をそっと自分の肩へと寄りかからせる。
「……着いたら起こすから」
その言葉に、ん……、と。
彼女は小さく頷いて、ゆっくりその目を閉じる。
……次第に、彼女は体重を預けるように、彼の左側に身体毎寄りかかってきた。
どうやら本格的に眠ったらしい。
悠斗は、ちらりと彼女を下から覗き込むようにする。
その可愛い寝顔に、小さく微笑んで。
それからそのまま窓へと視線を移した。
外はもう、すっかり暗くなっている。