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その、透明な鎖を
第17章  遠くへ


――どれくらい、時が経っただろうか。


悠斗は、そっと、凛の身体を揺らす。


「凛」


もう一度、強めに。


「起きて、凛」

「ん……」

「あと10分ぐらいで着くよ」


その言葉に、彼女はゆっくりと目を開く。


「……ごめんね。ずっと寝ちゃってた」

「いいよ」


身体を起こし、悠斗に微笑んで。


「もう着いちゃうんだ……」


少し、辺りを見渡す。
悠斗は、そんな彼女をただ見つめて。
たまらず、それを口にする。


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