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その、透明な鎖を
第17章  遠くへ


そうしている間に、降りる駅が次へと迫っていた。
本当にもう、ふたりの時間は終わってしまう。


「悠斗」


黙っていた凛が、口を開いた。


「また、行こ?」

「え?」

「お泊まりのお出かけ」


ね? と。
彼に向かって微笑みながら。


「……ん」


悠斗も、微笑んで返して。


「バイト代、貯めとく」

「私も。お小遣いいっぱい貯める」


ふふっ、と。
繋いだ手の指を絡めるようにして。


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