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その、透明な鎖を
第17章 遠くへ
――電車が、ゆっくりと止まった。
どちらからともなく、離された手。
立ち上がって。
そして、ホームに降りた。
無言で歩いて、そのまま改札に着く。
「……龍に電話するね」
改札を抜けると、凛は言った。
すぐそこに公衆電話がある。
「迎え、お願いするの?」
「うん」
……悠斗は、会話を聞きたくなくて。
「じゃあ下で待ってる」
そう声を掛けた。
この駅は二階に改札がある作りになっている。
頷く凛を、その場に残して階段を降りていく。
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