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その、透明な鎖を
第1章  そこにいたのは


「……そっちこそ」

「私?」


頷いた彼に、彼女は答える。


「凛」

「……凛?」


思わず聞き返すと、その少女は頷いた。


「あなたは?」

「え?」

「あなたの名前も教えて?」


彼を真っ直ぐに見る、その瞳。


「……悠斗」


答えると、何度も小さい声で繰り返して。


「呼びやすくていい名前ね」


笑って、そう言った。


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