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その、透明な鎖を
第18章 すべてを知るために
「君と出逢ってからの凛は、本当に楽しそうだよ」
微笑みながら言う龍。
嫌み? と最初は思った悠斗だったが、どうやらそんな意味はないらしい。
「笑顔がとても増えたんだ」
「……そう、なんですか」
それが本当なら嬉しいことだけれど、と。
「悠斗君」
呼ばれて、彼は龍に視線を向ける。
「君は、俺と凛のことをどこまで知ってる?」
悠斗の心臓が、どくんと波打つ。
思わずベンチに座り直した。
「……だいたいは」
「凛からどこまで聞いてるの?」
「どこまで、って」
「教えてくれないかな」
真っ直ぐに、見つめられて。
悠斗は静かに答え始めた。