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その、透明な鎖を
第18章  すべてを知るために


「……俺が気づいてしまって。それで凛を問いつめたんです」

「気づかれても、君がどうでもいい存在だったらきっぱり別れる、という選択肢もあっただろう。
けれど……凛はそうしなかった。すべてを話してでも、君を失いたくなかったんだろう」

「龍さん……」

「そんなふうに泣いてる凛を見ながら、オレは思い出してた。
君と初めて会った日だろうね。『面白い男の子に会ったの』笑いながら凛がそう言ってたこと。
仕事を早退して家に帰ったとき、凛の部屋で、君たちが手を繋いで眠っていたこと。微笑ましくて、思わず笑ってしまいながらも……なんだか少し、胸が苦しくなったこと」


そこまで話すと、龍は少しのあいだ、目を閉じて。
やがて目を開けると、再び話し始めた。


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