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その、透明な鎖を
第18章 すべてを知るために
「うん。でも、オレがそう言うのと。君がそう言うのとではやっぱり違うよ。
オレは家族だから。何度そう言っても、身内だから言ってくれるんだと、そう感じてしまうだろう。
でも第三者……と言ったら失礼だけど、そういう君からそう言われた言葉は、間違いなく凛の支えになるよ」
「……だったら、嬉しいですけど」
悠斗はコーヒーを一口飲んだ。
さっきまで感じていた緊張感は、思いがけない感謝の言葉の数々にあっという間に消え去っていて。
別れるように言われるとばかり思っていたのに、そうではなかったのだろうか――そんなふうに考えていたら。
「悠斗君」
龍に、呼ばれて。
「すべてを話してもいいかな」
そんな言葉をかけられた。