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その、透明な鎖を
第19章  語られたこと


「何日も、何日も話し合った。
桜も、オレも、本当に悩んで。そしてようやく結論を出したんだ。子供は産む、と。
そして、調べたり、そういうことは一切しない。
その子をふたりの子としてちゃんと育てよう、と」


その結論に至るまで、きっと本当にふたりは悩み、苦しんだのだろう。
それでも、産まれてくることを望まれた凛。
だからこそ、可愛がられて。
あの見せてもらったアルバムにはたくさんの笑顔があったのだ。


「そして凛が小学生のとき、血液型から、オレの子ではなかったと分かった。
さすがにそれを知った直後はね……つらかったよ。桜には言えなかったけど」 

「龍さん……」

「凛に兄弟を作ってあげたかったけど、二人目はなかなかできなくて。
だからそれを知って。そうか……できなかったのはオレが原因だったのかと確信してしまったというか。
……だからかな、余計に、少しね」


龍は、哀しそうに笑った。


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