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その、透明な鎖を
第3章 いいこと
凛の家は本当にそこから近かった。
その平屋の一軒家はそんなに新しくは見えないけれど。
はあ、はあ……と息を軽く弾ませながら、ふたりは玄関の前に立つ。
「見た目はいまいちだけど中はきれいなんだよ?」
そう言いながら、凛は鍵を開ける。
「どうぞ」
悠斗を中へと促して。
「お邪魔します……」
凛も、中へと入る。
玄関の鍵を内側から閉めて。
「あがって?」
彼は靴を脱いで、彼女の後をついていく。
「確かに。けっこうきれいだね」
「貸家にするときにリフォームしたみたいだよ」
「へえ……」
玄関から右に曲がって廊下をまっすぐ進んだ突き当たり。
そこが彼女の部屋らしい。