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その、透明な鎖を
第20章 答えなど、はじめから
「……私も、龍の中にあるいろんなもの……ずっとこの身体に感じて、全部受け止めてきて……。
龍の救いになれたら、龍の生きる支えになれたら、こんな私でもこうやって生きててもいいんじゃないかって思えて……そうやってずっと、だから、だから私は……!」
凛の言葉は、泣き声のように聞こえて。
「ねえ……! ふたりでそうやって今までずっとやってきたのに、なんで突然そういうこと言うの……!?」
龍を見上げ、縋るような目でそう訴える。
視線を逸らさず、必死に彼を見つめて。
まるで、彼の発言の理由を探るかのように。