パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第20章 　答えなど、はじめから

「龍は、ママがいない今、私だけがすべてだって……私がいるから生きていける、ってそう言ってくれたから……だから私は、龍のために生きることで、ごんな私でもここにこうしていていいんだって思えた――……」


それは、自己嫌悪と自己否定に押しつぶされそうになりながらも彼女があのとき見つけた、たったひとつの生きていくための術――――。


「それなのに、龍に拒まれたら私は、私はもう……！」


そう――龍を失うことは、凛にとっては自分の存在理由を失うということに等しい。
その関係に縋っていたのは、龍ではなかった。
間違いなく、凛の方だったのだ。


……なら、それが突然なくなったら？
彼女が不安定になるのは当然で。


そんな自分を見せたくない悠斗との関係が、そういう状態で続いていけるわけもなくて。