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その、透明な鎖を
第20章 答えなど、はじめから
……そうして、そんな悠斗の耳に聞こえてきた言葉。
「ねえ、龍……お願い」
凛の口から切なく発せられたその言葉。
「頭の中、もうぐちゃぐちゃなの……助けて、龍……っ」
「凛――――」
「お願い……」
その、懇願。
「……今?」
少し、戸惑っているかのような龍の声。
ふたりは何を言わんとしているのか。
悠斗の心臓も、どくん……と、その緊張を訴える。
「だって、だって……っ……!」
やがて、龍は
「……わかった」
そう、答えて――――。