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その、透明な鎖を
第3章 いいこと
「凛のこと、もっと教えてほしい」
それでも、彼は力を込めて。
ぎゅっ……と、その手を握った。
「好きなんだ」
だから、知りたいんだ――――と。
悠斗は凛を見る。
その目が、合って。
けれど彼女は、ふっ、と微笑むと。
それから、すっ、と彼から目を逸らした。
「……ありがと」
そのまま俯いて、静かに呟く。
「凛」
凛のその言葉に、悠斗の中をよくわからない感情が襲う。
――俺は、お礼を言われたくてそう言ったわけじゃない――――。
「好きなんだけど……凛のこと」
繰り返す、告白。
「凛は?」
答えを、はっきりと聞きたくて。
「凛は俺のこと、どう思ってんの?」