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その、透明な鎖を
第3章  いいこと


……沈黙が、訪れて。


すっ、と。
凛の手が、悠斗のそれから逃れた。


悠斗は、離された自分のその手をただ、見つめる。


――これって、拒否……?


悠斗がそんな思いに捕らわれたそのとき。
凛が急に立ち上がった。
そのまま、手に持っていた自分のアイスコーヒーをテーブルへと置きに行く。


「悠斗」


彼に背を向けたまま、彼女は言った。




「いいこと、しよっか」




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