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その、透明な鎖を
第20章 答えなど、はじめから
「……ん、っ」
ドアは、さっきと同じように少しだけ開かれていて。
そこから微かに聞こえてきた、苦しそうな声――――。
悠斗はそっと、隙間から中を見た。
ベッドの上に座る凛。
龍は、片膝だけそこに乗せ、彼女の頬を両手で挟むようにして引き寄せ……覆い被さるようにして、その唇に激しく口づけていた。
「んっ、ん――……」
水音は、悠斗のところまで聞こえてきて。
見たくないはずなのに、目が離せなくて。
凛の手が、龍の腕へと伸ばされる。
その手をそのまま彼の肩へと滑らせて。
そうして、首まで。
「……ん、りゅ、う……!」
唇が一瞬離れたその隙に、彼の名前を呟く。
首に絡みつくように回されたその腕で、彼の身体を引き寄せるように。
そのまま、ふたりはベッドに倒れ込んで。
凛は、身体を入れ替えた。
龍の上に覆い被さるようにしてその唇を貪る。
彼は、彼女の頭と背中に手を添えて、その口づけに応えて。