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その、透明な鎖を
第20章 答えなど、はじめから
「――――っ、う……」
「凛、っ――――!」
彼女の漏らす声と。
彼の、彼女を呼ぶ声が同時に。
「まだちゃんと濡れてないだろ……っ……!」
それでも、彼女は構わずに腰を落とし続けて。
その顔は、苦しそうに歪められていて。
「凛! 無理だって……っ!」
「いいの!」
身体を起こそうとする龍の肩を、両手で押さえつけるようにする。
「痛くてもいいの……っ、痛い方が、今は……っ――――」
「凛――……」
唇を噛み、ぐぐっ……と。
その身体をより深くへと下ろし続ける凛。
「いっ……」
龍はもう、何も言わず。
ただ、凛のその姿をつらそうに見つめて。