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その、透明な鎖を
第20章 答えなど、はじめから
「――……っあ」
その声と共に凛の動きが止まると、龍は、手を伸ばして彼女の頬へと触れた。
指先が、つつ……と、そこをなぞる。
凛は泣いているのだろうか、と。
悠斗はそれを見て思った。
自分を痛めつけるようにして無理矢理龍と身体を繋げた凛。
……ふたりとも服を身につけたままの行為のせいで、悠斗から直接は見えない。
そのせいか、口づけているところを見たときよりも、不思議なほど冷静にその光景を悠斗は見ていた。
――でも。
「……んっ」
凛が、腰を動かし始め。
再びその顔が、苦しそうに歪んだ。
ベッドが、その動きに合わせて軋んだ音を鳴らして。
「ん! あっ、あ、龍、龍……っ……!」
――その動きと、声。
目にするうちに。
耳にするうちに。
……次第に悠斗は冷静さを失っていく。