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第21章 　普通って

「……それって。俺が、凛にそうさせてたってことですか」

「違う」

「だってそういうことじゃないですか……！」

「違うよ、悠斗君。凛も君にそれを望んでいたんだ。どこにでもいるような、普通の恋人同士の関係をね。
誰が悪いとか、そういうことじゃないんだよ」


龍の言葉に、悠斗は唇を噛む。


――龍さんの言っていることは分かる。
分かるけれども――――。


「だから、凛が君に一線引いてたとか……そんなふうに思わないであげてくれないか。
あの子は本当に君のことが好きなんだ。好きだから、これ以上君に重荷を背負わせたくない、って……そういうあの子の気持ち。分かってあげて欲しい」

「……っ、でも！　俺、凛がそういう気持ち出してくれるなら、それごと……そういうの抱えてる凛ごと、俺、ちゃんと受け止めたいって、そう思ってた……！」


だってこれからは、俺が龍さんの代わりに凛を……そう思っていたんだから、と。