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その、透明な鎖を
第21章  普通って


「……っ、でもそんなの普通じゃない……普通じゃないです……!」


心臓の音が、うるさくて。
胸を押さえて、悠斗はそう口走る。


凛と、彼女の保護者である龍と。
そして自分の……三人の関係。

彼女と龍。
彼女と自分。
身体の関係も含んだ、その関係。

……全部知ってて、続けていく関係。


「普通じゃない――……」


苦しそうに首を振り、悠斗は呟く。
……沈黙が、その場の空気をさらに重苦しくさせて。


「普通、か」


やがて龍がその沈黙を破った。


「普通とか、普通じゃないとか。誰が決めるんだろうね」

「……え」

「オレにとっては、これが普通だよ」

「龍、さん――――」


悠斗は、その言葉に目を見開いて彼を見て。


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