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その、透明な鎖を
第21章  普通って


悠斗は、言葉もなく龍を見つめたままで。
掛けられた問いだけが、ぐるぐると頭の中を回っていた。

龍も、黙ったまま悠斗を見ていて。

なんだか息苦しさを感じ、思わず息を吐いた悠斗は、突然背後にそれを感じた。


……誰か来た、気配を。


それと同時に悠斗の方を向いている龍が、視線を彼から少しずらして。


「――――凛」


そう、呟いた。




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