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その、透明な鎖を
第22章  夏の名残


火曜日。

ほぼ一週間振りに、悠斗は凛の家へと向かっていた。
伝えなくちゃいけないことがある。だから凛に会わなくちゃいけないんだ――そう、自分に言い聞かせて。

何も、まだ決めていない。
龍に言われたことに対する結論など何ひとつ出てはいない。

それでも、これだけは凛に伝えておかなくちゃいけないと。
凛のせいじゃないことだけは、ちゃんと――そう思いながら、悠斗はその道を歩く。


――ただ、凛に会いたいだけなのかもしれない。


歩きながら、そんな思いにも囚われて。

あんなところを見たのに? 
それでも凛に会いたいのか? 

そう自分に問いかけて。さっきの思いに無理矢理首を振る。


止められない足に


――だって、俺、決めなくちゃいけないから。


そう、自分にまた言い聞かせる。


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