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その、透明な鎖を
第23章 その、透明な鎖を
「……悠斗が、好き」
わかっていた、けど。
それは、想像していた言葉だったけど。
はっきりと口にされたその告白は、彼の心を激しく鷲掴みにする。
「……っ」
苦しくて。
たまらず悠斗は、シャツの胸元をぎゅっと握る。
「好きなの」
凛はその言葉を繰り返して。
「悠斗が、好き――……」
……縛られて、いく。
凛の唇から零れるその告白に、彼の心が。
「龍からは、決めるのは悠斗だ、って言われたけど。悠斗が答えを出すの待つしかないって……そう言われた、けど」
彼を見つめる、彼女の瞳が揺れる。
「……会えなかった二週間、すごく長かった。
これ以上、もう待ちたくないよ――……」
その言葉に、悠斗の心も激しく揺さぶられた。
「……悠斗」
そっと、彼女の手が彼の腕へと伸ばされる。
微かに触れた、その指先。
「悠斗の答え、知りたい。決まってないなら、今思ってることでもいい。
それがどんなのでも、私……ちゃんと受け止めるから――……」