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その、透明な鎖を
第23章 その、透明な鎖を
「約束、する」
「凛……」
「黙ってどこかに行ったりなんて、もうしない」
そのまま、彼へと少し近づいて。
少し見上げるようにしてその言葉を。
「だから、安心して?」
「凛」
そしてその顔を彼の胸に、とん……と預けて。
「……でも、悠斗は自由だからね」
「え?」
「私は、悠斗を縛れないから」
そんな権利ないから、と。
彼女は少し哀しそうに呟く。
「いやになったら、いつでも」
「――――っ……」
悠斗は、思わず凛を抱き締めて。
そのまましばらく、黙ったまま、そうして。