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その、透明な鎖を
第3章  いいこと


「……悠斗」


不意に凛に呼ばれて。
悠斗は彼女に視線を向けた。
タオルケットを引っ張りあげて身体を隠し、そのままゆっくりと身体を起こす彼女。


「……がっかり、した?」


突然、そんな言葉を口にした。


「え?」


意味がわからなくて彼は彼女に聞き返す。


「分かったよね」

「え? 何が?」

「だから……」


下を、向いて。


「……初めてじゃ、ないって」


小さく、呟いて。


「慣れてる、って、思った?」


少し哀しそうに、笑って。


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