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その、透明な鎖を
第4章 その季節が訪れるまで
木曜の次は、月曜がふたりの会える時。
その三日間の空白は、悠斗には本当に長いものに思えて。
触れたい。
キスしたい。
それもあるけれど。
「会いたい……」
顔が、見たい。
可愛いその笑顔が、見たい。
声が、聞きたい。
そう、何よりも。
会いたい、と――――。
会っても、離れればまた同じ。
すぐに会いたくなる。
きりがないほどに。
彼もそれはわかってはいるけれど、ほんの少しの時間でもいいから、会って、触れて。
ただ、ただ、そうしたくて――――。
「凛、怒るかな」
もうすぐ毎日のように会えるはずなのに、今日はどうしてもその衝動をおさえられなくて。
土曜日、バイトが終わったあと。
彼女の家へと彼の足が向かう。
携帯を持っていない凛には、こっそりと連絡が取れない。
直接行って、部屋の窓でも叩いて――そんなふうに彼の頭の中では勝手にシュミレーションがされていく。
「凛も、会いたかったって言ってくれるかな……」
そんな、期待も持って。