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お姫様はドラゴンにさらわれました
第11章 怪我人には優しくしましょう
私たちは小さな山小屋に落ち着いた。
貴族の子女なら嘆くような環境だが、幸いなことに私は図太い神経の持ち主だった。
むしろ動きにくいからと、村娘の服装を用意してもらったくらいだ。
私は何も出来なかった。
まだ幼いエレーレがてきぱきと食糧を調達し、小屋の環境を整えていくのを見て、自分が役立たずなのを痛感した。
ヒールダートはなかなか現れなかった。
兄たちの争いがどうなったのか、エレーレにもわからないらしい。