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姫はひそやかに咲き乱れる~戦国恋華【れんか】~
第4章 花冷え
 徳姫が呟くと、葛木は真顔で首を振った。
「それにつきましては、妙案がございます。姫さま、お祖父(じい)さまの三条卿のお力をお借りになっては、いかがにございましょう?」
「お祖父さまの?」
 徳姫もまた夜具の上に上半身を起こす。
 葛木を見ると、頼もしい乳母は総大将に秘策を授ける軍師のように厳かに告げる。
 その大真面目な顔がおかしくて、徳姫は思わず笑い声を上げ、ハッと手で口許を押さえた。
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