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限界Lovers
第10章 カルテット★ナイト
「えーっ、行き先くらい知ってるって普通」


「いーの、興味ないから。…でもさ、」



グッとみなみの腰を引き寄せるとバランスを崩したみなみがコテンと胸に倒れ込む。



「みなみのことはすごく興味があるから…教えて? 」



「……知ってるでしょ、もう全部」


「知らないことが一ミリもないくらいみなみを知りたいよ、俺」


こめかみにキスを落とすとみなみはパッと顔を赤らめて、顔を隠すように俺に抱きついた。


「ズルい」


「ズルくないよ、本心」


「…全部だよ。遥斗に見せるみなみがみなみの全部だよ…」


「そう?でも俺はもっと…みなみも気づいてないような部分も知りたいんだけどな」


「みなみが知らないことじゃ教えられないじゃん」


「そんなことないって。…みなみがワケ分かんなくなった時とか俺ちゃんと見てるから」


相変わらず顔を隠すみなみにキスをしていく。
みなみの身体から力が抜けていくのを俺は見逃さない。


「遥斗…」


蚊の鳴くような声でみなみが囁いた。



「…みなみだって…遥斗のこともっともっと知りたい」


「うん」


「でもみなみは分かるとこしか分かんない…」


「………」


「全部遥斗の考えてることが分かればいいのに…遥斗の心が全部見れればいいのに」


「みなみ…」



心細そうな呟きは単に愛からだと思ってたあさはかな俺。


みなみの不安を汲み取ることなくその日は激しくみなみと抱き合い…



みなみは俺の「願い」を受け入れてくれた。




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