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限界Lovers
第11章 みなみの悩み、遥斗の想い
仕事に行くとバイト仲間の志穂さんが真っ赤に目を腫らしていた。



「どうしたんですか!?」


「ああ…ちょっと彼氏と別れてね」


「志穂さんの彼氏って…同棲してた?」


「そう、8年同棲してたんだけどさぁ…いい加減8年じゃない?この先どうするつもりなのか聞いたら結婚するつもりはないって言われて」


「………」



「一緒に暮らしちゃうと別れるのも大変…物理的にね。だから実家に戻るんだけど親もねぇ…」


「そうなんですか…」


「みなみちゃんも気を付けな。ダラダラ同棲して先がないとか最悪だから…」


「はい…」


「同棲って結婚と似た側面があるから先伸ばしにしちゃうんだよね、これから思うよ~友達の結婚式とかで“私いつなのかな”って」


志穂さんはズズッと鼻をすすり眼鏡をかける。


「みなみちゃんの彼とウチの一緒にしたら悪いけど…みなみちゃんが彼と結婚したいなら早めに意識はさせといた方がいいよ」


「意識…ですか」



そこで志穂さんは店長に呼ばれて会話が途切れた。




数日後にはこんな事もあった。



就職試験の面接で面接官に聞かれた質問。



「失礼ですが彼氏はいますか?」


「えっ?」


「ああ、変な意味じゃないんですが一応聞かせていただきたいと思いましてね。正直に現状を答えていただければ」


「…い…ます」


「結婚の予定は?」


「……あの」


「すみませんね、最近の若い女性は早く子供ができたり結婚して退職する方が多いので」


「そうですか…」


「一ノ瀬さんは結婚の予定はありませんか?」


「…多分…ないです…今のところ」


「………分かりました」






落ちた…



その瞬間直感したけどその勘は当たっていた。








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