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限界Lovers
第11章 みなみの悩み、遥斗の想い
「あのさあ…遥斗、アンタは年下向きじゃないって 」


「…は?」


「よく考えな?アンタみたいないい加減なのに二十歳のお子ちゃまなんて無理だから。それこそママゴトだろうが」


ーーー姉貴はいつも高圧的で、俺に対して決めつけてばかりで。


「いい加減って…別に俺はいい加減じゃ…」


「二股して血を見たのはいい加減じゃないっての!?」


「ぐっ…それは高校生の時の話で…」



「それにアンタ女の子と住むのだって初めてじゃないじゃない!」


「あれは住んでたわけじゃ…」


「大体ね、アンタは昔からだらしないのよ!そんなのが結婚なんてできるわけないでしょ!?結婚なんかしたってすぐ離婚するのがオチよ!」



姉貴はマシンガンみたいに一方的にまくしたてた。
…正直、姉のまくしたてた事はどれも「嘘」とは言い切れないものだけど…


最後の言葉にカチンときた俺は静かに言い返す。



「…違うから」


「はあっ!?何が違う…」


「みなみは違うから。俺だってあの頃とは違うし…別に姉貴に信じてもらわなくてもいいよ」


みなみさえ分かってくれれば…



「…………」



俺の静けさに姉貴は続く言葉を見つけられずグッと息を飲み込んだ。



おばさんは「若いっていいわね」とウットリして
「頑張ってね」と俺を励ましてくれる。



「遥斗くんのお嫁さん楽しみにしてるわね」


「可愛い子なんでホント楽しみにしててください」


「やだノロケちゃって!本当羨ましいわ」




「…相手が受けてくれるかも分かんないのにね。今度はアンタが遊ばれてる番だったりして」



フンッと姉貴は鼻で笑っておばさんと一緒に母親の方に歩いていく。




昔から姉は我が家の突然変異と言われるくらい気が強くて言葉も強かった。
そんな姉を見て育った俺は姉を女性の反面教師として見てきたけど…



俺の持論は正しかった、改めてそう思う。



「…本当ムカつくな。姉弟じゃなかったら近寄りたくもねーな」




姉貴の後ろ姿を見ながら本人には言えない一言をひっそりと吐き捨てた。





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