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限界Lovers
第12章 遥斗の過去
「うん…みなみも遥斗に触られたい」


俺に触られたいなんて…心臓をわし掴みされたみたいな気持ちになった。


リビングのソファにはブーさんがいたからみなみを連れ寝室に。
真っ暗闇な部屋の中でみなみを抱えベッドにダイブした。


「きゃっ!」


みなみの小さな叫びと共にスプリングが揺れる。
Tシャツの中に早速手を這わすとその手をみなみがやんわりと止めた。


「…俺に触って欲しいんじゃないの?」


「き、急すぎるって」


「我が儘だな…じゃあどうして欲しい?」


「…最初はキスして欲しい」



そしてみなみが抱きついてきて、俺はあやすようにキスをする。



「…んっ」



甘いキスにみなみの息は早くも熱く、零す吐息に俺の体温も上がっていった。


「みなみ、舌出して」


「ん…」


「ん」


舌を出させてその舌を絡め取る。
暗闇にキスの音はよく響き、俺たちの思考を霞ませる。


しばらくキスしているとみなみから力が抜けた。
今は暗闇だから見えないけど、こんな時のみなみの目は涙が零れそうなほど潤んでいる。
そんなみなみの秘密は勿論俺以外の誰も知らない。
そんな小さな事にたまらない優越感を感じていた。


一枚、また一枚とみなみを脱がすと俺も服を脱いだ。


少し慣れた目に柔らかな曲線が浮かぶ。
綺麗な身体に痺れるような甘い声、それは俺しか知らない俺のもの・・・


今までの道のりは今の「俺」の為に必要だったとさっき思った。
けど、例えばみなみを今のみなみに育てた男がいたとしたら…


俺は嫉妬で狂いそうになっただろう。



「…みなみ」


「なーに?」


「好きだよ」


おでこをくっ付け合って囁くとみなみが笑った。


「みなみも大好き」


「どれくらい?」


「…これくらい」


チュッとみなみがキスをする。


「俺はこれくらい」


みなみがしたのよりちょっと深くキスを返す。


「じゃあみなみはね、これくらい」


みなみのキスも更に深い。


「フッ…さっきのは何だったんだよ。…じゃあ俺はこれくらい」





『これくらい、これくらい』と互い違いにキスが増える度濃厚で熱くなって…


「…………」


「んっ…」



いつの間にか息もできないくらいのキスになる。



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